腫瘍とは何か?
癌を理解する前に、腫瘍について
腫瘍とは何か?
一言で言うと
遺伝子の病気
もう少し詳しく言うと
細胞の増殖に関わる遺伝子が変異して、絶えず増殖シグナルが出るようになり、無秩序に分裂を繰り返すようになった状態
初めに、遺伝子修復するための遺伝子が傷つき、その後、増殖遺伝子が傷つくパターンもある。(多分こちらの方が、より悪性化しやすい。)
増殖回数が増えたり、遺伝子修復が出来なくなると
更に遺伝子エラーが起こしやすくなる。
そのような腫瘍細胞が、他の臓器に転移・浸潤できる遺伝子変異を獲得したとき
悪性腫瘍
=がん
と呼ぶようになる。
転移=血液やリンパ液を通して他の臓器に移動して住み着くこと
浸潤=臓器の膜を破って、周囲の臓器に入り込んでいくこと
遺伝子エラーが加速すると、正常の細胞を破壊したり、異常なたんぱく質で全身に悪影響を及ぼす状態となる。これを恐らく悪液質と言うのではないかと思っている。
がんの性質で特に重要なこと
全身の細胞は同じ遺伝子を共有している。
というふうに教わっているが、実際には、若干異なる。
原則は、「全身の細胞は同じ遺伝子を共有している。」のは正しいが、
実際には、年齢を経るごとに、遺伝子に傷がついていく。
そうすると、その遺伝子から作られるタンパク質は、形が徐々に変わっていくため、体内のタンパク質で出来ているもの(酵素、チャネル、線維、細胞骨格など)が正しくは働かなくなる。
実は、これが老化の本質の一つだ。
老化の本質
老化といってまず思いつくことは
・しわ
・肌に張りがない
・体をすぐ痛める。(足腰の痛み)
・目が見えにくい
・声が聴きにくい。
特に初めの二つ、しわと肌の張りは、遺伝子の傷で正常のタンパク質が作れないために起こることだと考えられる。
体の痛みや目、耳の話は、それぞれの臓器が、何年も使っていて衰えたためだろう。80年間使える自転車がないのと同じで、人間の体を80年も使っていたら、
故障は自然の成り行き。
多くのガンは老化である
ここで、ガンの話に戻ると
ガンは遺伝子のエラーだったから、
言い換えると、ガンは老化の一過程なのだ。
だからこそ、高齢化社会ではガンは増えるだろうし、高齢者がガンになるのは、至極自然の成り行きの結果起きていることなのである。
ただ、若者がガンになってしまったときは、老化という自然の成り行きではないので問題となってくる。
生まれながらの遺伝子の状態(家族歴)、環境や生活スタイルで、遺伝子に負荷がかかることを行っていれば、若くても遺伝子エラーが起こりうるということだ。
ただ、これは稀なことだ。
覚えておいてほしいことは、多くのガンは老化の過程の遺伝子の傷の蓄積が起こす非常に自然なものだということ。
それがガンの基本なので、理解していただけると、ありがたいです。